すべてのありふれた甘味
- 2019.02.16 Saturday
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人の味覚ほどあてにならないものはない。
同じものを食べても、その日の体調や気持ち次第で味が全然違ったりするのだから。
あるときは美味しいと感じるものが、別の日にはイマイチだったり、味が強すぎるとか、逆に味がぼんやり遠くの方に感じられるとか。そんな誤差はアタリマエに起こる。強いストレスを抱えているときに何を食べても味なんかよくわからない。たしかなようでいてとてつもなく不完全な機能だ、味覚って。
西洋占星術では味覚を含む五感と結びつきが強いのがおうしサイン。
五感が発達しやすいとか、五感のすべてを使って〜、など、天体によって表現は異なるけど、うっかりこのような言い回しをしてしまう。しかし、果たしてそれは本当にそうなのか。
おうしサインに月と金星を持つ私は、自分の五感がすぐれているとはまったく思っていない。
むしろイマイチ信用できないからこそ、毎度毎度信じられないほど真剣に、自分の身体でたしかめようとしてしまう。以前の私が感じたことは真実ではないかもしれない、今日いまの私が「感じたい」「味わいたい」。
身体をもてあそぶことはとても楽しい。生きてる、と強く感じる。
味覚もそのひとつ。とても重要なひとつ。
昨日、本業でとてつもない数のスイーツを食べた。年に一度やってくる「ひたすら試食の日」である。チーズケーキ(ふわふわ/どっしり/変わり種)、アイス、生チョコ、プリン、マフィン、ゼリー。
一見楽しそうに見えて、なかなかの体力作業。不確かな自分の味覚と他者の味覚を互いに信頼しながら、感想を言語化していく集中力のいる作業。
ちょっと味見してあとは残せばいいのに、もったいないので極力完食してしまう律儀な自分。
そして、もう甘いものは当分結構です、と思った次の日に普通にカップケーキにかぶりついていたりするのだから恐ろしい。
スイーツだけが甘いものとは限らない。
心にうっとり甘い心地よさを与えるもの、それこそが甘味。
辛い食べ物にしびれたり、悲劇の物語に浸ったり、皮肉と愛に満ちた曲に酔いしれたり。
そういった甘いひととき、あなたにもありますか。
甘味よりも甘美、それが今の私です(ただの食べすぎ)。
本日は坂ナズナが更新しました。
次回もお楽しみに。
- 坂ナズナ
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