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- 2019.04.10 Wednesday
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こんにちは!三ヶ島(みかじま)ルルでございます!
自己紹介(http://suitona.jugem.jp/?cid=21)も終わりまして2巡目のお題は「好きなタロットカード」
基本的にどのタロットカードも「好き」なのですが、スプレッドや一枚引きで出ると個人的にワクワクしてしまうのは断然、「塔」のカードです。
さてこの「塔」のカード、ご存知の方がほとんどとは思いますが一般に「破滅」「破壊」「破局」云々・・・悪いイメージで語られがちな一枚。
しかしわたしたちの先生でもある桜田ケイ先生がご著書『かんたんタロット はじめてでもすぐ占える』(http://amzn.asia/dVGWVWr) などでおっしゃっているキーワードは「組み替え」です。
破壊はただ破壊で終わるのではなく、そこから新しいものを生み出したり、再編したりするための「破壊」「組み替え」というとなんだかとっても生産的でワクワクしてきたりしないでしょうか。
「新しいものが生まれる」というとやや死神のカードを連想しなくもないですが、まさにわたしにとってはそのために古いもの、不要になったもの、先に進むために粉々にしなくてはいけないものを力強く打ち壊すことを暗示する「自由のカード」が「塔」だったりします。
(壊しても新しいものは必ずしも生まれないだろうというご意見もあるとは思うんですが、壊すという状態の変化自体がもう既に新しい状態を生んでいる、とも言えるかな、と個人的には思っております)
そして「自由」というのは気楽だ、好きなようにできる、というだけではなくシビアで「自らの行動の責任を自らが負う」という側面が強くあるものです。
( アイザイア・バーリンという哲学者のいう自由の分類、「消極的自由」と「積極的自由」でいうとこの後者、「積極的自由」に近いようなものを想定しています)
エーリッヒ・フロムという社会心理学者はその代表作のひとつ『自由からの逃走』、 「自由になる」ということは「束縛から抜け出る」ということであり、その「束縛」から人は必ずしも「自由になりたくない」そこから「逃走」している。
なぜなら「束縛」は「安定」でもあり、そこから脱却することは精神的にも社会的にもただ自らによって「安定」を得ていかなければならないから、と語ります。
そういう意味で、「塔」のカードの出現は彼や彼女の大事にしたものや必死に積み上げたもの、安心を保障するもの、 「これがなくては生きていけない」と思っているものすら打ち砕くかもしれません。
でも人は、その人の美しさや強さは、その人がその人自身を生きたときに強く輝くと思うのです。誰かや何かに「守られている」からこそ発揮されない、磨かれないものが、防壁や束縛が打ち壊されたことによってあらわになる。
「これだけは!」と死守してきたもの、「これがなくては到底生きてはいけない」そんなものを壊され奪われ手放したとき、「それでもまだ生きている」「わたしはまだわたしである」という実感は、とても力強くて美しい。
そしてそこから見る景色の新しさ、自身の強さに気づくような、そういう「世界が開ける」瞬間というのは、なにか既存のものを破壊したときにより鮮明で鮮烈に体感できるものだと思うのです。
人間は自由であればこそ、起こった出来事を、世間や社会の常識など他人の軸で解釈せずにただ自らの基準、その責任によって計量し価値付けをすることができます。
そのときには一見ネガティブなものでも、人生が続いていくならば振り返ったときにその経験や破壊があったからこそと、その人の豊かな血肉にしていくことだってできる。
それは人間の可能性や強さ、美しさをいつもわたしに感じさせてくれます。
と、現実のスプレッドにおいて、こんな大仰なことをいつも思うわけではないのですが、「哲学は驚きに始まる」というアリストテレスの言葉のように、大なり小なりこの「塔」のカードがもたらす衝撃は、それについて考えてみる、考え直すきっかけになるのではないでしょうか。
そしてそれがどんな小さな出来事でも、自分というものの何かを拡張したり変化させるよい材料とできるのではないかと思ってしまいます。
そんな出来事を予感させる「塔」のカードは、22枚の中でもわたしにとってとても大事なカードです。