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    甘い記憶

    • 2017.08.12 Saturday
    • 00:00

     

    忘れられない甘味がある。それは「甘酒」だ。

    「酒飲み」と思われてもしょうがない答えで恥ずかしいが、事実である。

     

    実家では、年を越すと家族全員で近くの神社へ初詣に行った。深夜0時過ぎて出歩くのが嬉しくて、弟とはしゃいで怒られたものだ。

     

    その神社では、小正月のどんど焼きかと思うほどの、大きな矢倉を組んでボンボン燃やすのが名物だった。遠くから見ても、火の粉が舞い、オレンジ色の炎が冬の夜空に映え美しかった。

     

    参拝が終わった人たちは、火の辺りにたむろして暖をとる。

    そこで、神社から串に刺したスルメや餅、マシュマロ、そして「甘酒」がふるまわれる。

    「コメらは、火の前に行きっせ」。

    人混みでまごついていると、大人が良い位置に通してくれる。たいてい、私はスルメ、弟はマシュマロをあぶりながら、「甘酒」をいただいた。ゆげが立ち上る器に顔を近づけると、ほのかに麹の香りがする。甘くて白い飲み物。「酒」と名前がつくものを大っぴらに飲むというドキドキ。大人たちの新年の挨拶とたわいない雑談。

    *コメら:子どもたち(会津地方の方言)

     

    夏の甘酒
    「甘酒」は夏の季語。江戸時代には栄養ドリンクとして重宝されたとか。冷やしても旨し!

     

    新年  初詣  オレンジの炎  白い息   冬の星空  ちらつく雪 

     

    こんな記憶が、いっそう甘美な味わいにしているのだろう。

     

    発酵食ブームで、甘酒もさまざまな種類が売られている。酒粕を買ってきて自宅で作る人も多いらしい。でも、この初詣の「甘酒」よりも美味しいものには出会ったことがない。甘味といえば、金星だろう。私の9ハウスにある金星は、味わいや触感、見た目以上に、情景や心象によって濾過され普遍化した印象で記憶される。

     

    プルーストの「失われた時を求めて」のマドレーヌのごとく、これ以上の「甘酒」に出会えるだろうか。

     

    北形 兆(Kitakata chou)

     

    Twitter:@kitakatachou13

     

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