砂漠の国、風の都

  • 2019.02.13 Wednesday
  • 00:00


砂漠の国に、女がいました。風が強く吹く都に住んでいました。彼女は落ち着いてみえ、人々は安心して、女に多くの仕事を頼みました。女は頼まれたことは頼まれた通りに仕上げます。できることだけをする、約束を守ることが一番で、かたくなですが、手は抜かない、うそはつかない、そしてお客を選ばないと言われていました。


女には娘と息子が1人ずついました。下の娘はとても怖がりで、子どもの頃からなぜだかいつもびくびくした気持ちで暮らし、声を殺して泣きました。娘は幼いながらも器用で、ストールを編みました。うまくできると顔を赤らめて喜びました。


上の息子もまたおとなしく、あまり口をききません。それに物覚えも良くなく、ぼんやりとしていました。屋根裏部屋でひとり、布団のにおいをかぎながら、ぶつぶつとひとりごとを言いながら過ごしていました。


女の家には実父が住み、彼はもうすっかりおじいさんでした。若い頃は職人で、女と同じように頼まれた仕事を確かに仕上げる、余計なことはしない、無骨な男だったそうです。今はもう流行らないかもしれない品をまだときどき作っています。女の息子をかわいがり、ふたりはいつも一緒でした。でもあまり口をきくことはなく、ただ一緒にいるだけでした。実父は女の娘もまたかわいがりました。彼がじっとそばにいるだけで、娘は泣き止むこともありました。


今ではすっかり落ち着いてしまった女ですが、若い頃は都の街中で着飾ったり踊ったりするのが好きだったといいます。街の祭りで同じように着飾り、おしゃべりな若い男と出会って、次の日からつきあいました。


都の果てに吊り橋がありました。谷底に落ちたら、おしまいです。男と2人で手を繋いで、度胸だめしに渡ってみようとしました。でも2人一緒では足を滑らせてしまうと怯え、諦めました。女はひとりなら勇気を出して、怖くないふりをして悠々と渡ることができるのに。それでも女と男はいつも一緒にいて、やがて結婚し、子をもうけ、暮らしに困ることはありませんでした。


女の仕事場にはいつも人が訪れました。朝も昼も夜もずっと。仕事を頼む人ばかりでなく、お茶を飲みに来るだけの人も誰彼となくやってきます。部屋の片隅にはたくさんの土産が積まれていました。女はお茶を出しながら、おしゃべりを適当にしながら、手を休めず働きました。社交の中で得た要領や勘があり、どの世界でもどんな人でも買えて使えるものを工夫して作り続けました。


女は1人で井戸に水を汲みに行くのも日課でした。まだここに井戸があると知る人は少ないようで、誰とも会うことはありませんでした。子のため、夫や父のため、大切な人たちのためにひっそりと足を運びました。井戸水に自分の姿を映して身を整えながらも、いつも水を渡す相手を思いました。


女はこの砂漠の地が好きです。風通しの良いこの都でずっと暮らし続けたいと思っています。


〜〜今回のブログのテーマは「改めて自分のチャートを見てみる」でした。「子どもが書く童話コンクール」のようなものに触発されて、チャートを見ながら、一気に書いてみました。(大人なのにポエム。。)タイトルも「JRツアーのコピー?村上春樹のマネか?」とツッコミどころ満載ですが、「チャートが違ったら全然違った話になったかもなー」と思う5ハウス月乙女炸裂で、おもしろがりながらお届けしました。私自身の実像とは離して、チャートを見て書いています。もし、ここまでお読みくださった方がいらしたら、おつきあい頂きどうもありがとうございました!

宮坂友理

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